パーツ購入編からの続き、交換作業編です。
参考になる動画が簡単に見れる便利な時代。プロの動画はベストな工具を使った無駄のない作業が裏目に出て苦労する部分が伝わりません。並行して素人さんの動画も見ると参考になる場合が多いと思う今日この頃であります。ワーゲンの整備となると、当たり前ながら海外の動画がメインになります。英語やドイツ語はわかりませんが概要は理解できるものです。でも、やっぱり日本語の説明がありがたい。クルマの構造なんて似たり寄ったりなのでワーゲン以外の動画も参考になりますね。
このようにショックアブソーバーとスプリングが独立した構造の場合は簡単。(らしいです)
まず、ラゲッジ床下のホイールレンチを取り出すべく、積みっぱの釣り道具を片付けるだけでもひと仕事。そして必要な工具を物置からごそごそ集めます。ウマでクルマを傷付けないよう当て木を付けよう。まずは木工作業。事前の準備だけで1時間経過。(汗)
動画で予習したつもりでも見るとやるのでは大違い。当初、片輪づつ作業しようとしましたが、反対側の車輪が接地しているとトーションビームのスタビライザー効果でスプリングを外せる位置までサスが下がってこないことが発覚。
結局、こんな感じに両輪持ち上げての作業になりました。
今回、パーツ代に関してはドケチなのに、ほぼ同額の油圧パンタジャッキを衝動買いしてしまいました。以前、車載ジャッキでタイヤローテーションしたことがあります。1輪づつの場合はスペアタイヤを使って都合5回ジャッキアアップする必要があります。かなり疲れて「もう嫌だー」だったのです。
やっぱ油圧は楽ちんですね。買ってよかったです。同額で安いガレージジャッキも買えますが、保管時に嵩張るのが嫌でパンタにしました。
ネットを見ると、廉価モデルのせいか、リリースバルブを開けすぎるとオイルが出るので注意が必要みたい。amazonのレビューにはオイル抜けの酷評もありました。使わない時はバルブをしっかり締め、寝かさず保管すれば問題ないと思われます。
ショック下は16mmのボルトとナット。当たり前ながら16mmのレンチで回せばいいのです。ところがですよ。16mmのレンチって普通じゃないって知ってました?
僕は知りませんでした。だって普通に持ってましたから。(←え?)
30年前にロジャース越谷店で買った激安ながら沢山パックされてる中華製メガネレンチセットに入ってました。でも、反対側が回らないようにスパナかソケットを探したら。あれ?ない。2mm刻みで普通は欠番なんですね。
ま、反対側は回らないよう軽くおさえるだけなのでモンキーレンチで、……ところがナット側が薄くて、すぐに外れてイライライライラ……。
ま、反対側は回らないよう軽くおさえるだけなので17mmのソケットで、……これで上手くいきました。
ショック上側は、これまた16mmのボルトが2ヶ所。
じつはこれ、作業前に悩んだ箇所でした。ホイールハウス内奥まった場所なのでメガネは使えません。ソケットとエクステンションが必要です。これは手持ちがないから買わないと。
……ところが、手持ちの工具を色々眺めて「はっ!」と気付きました。
ちょうど1年前、13万Km走行時のメンテで買ったプラグレンチに燦然と輝く「16mm」の文字を発見!
一般レンチ界ではマイナーな16mmなのに、プラグレンチ界では最もメジャーが16mmという不思議な事実。
例によって固着してましたが、CRC-556を浸透させ車載ホイールレンチをエクステンションハンドルにしたら回りました。去年交換したプラグの固着に比べたら少ないトルクで回った印象です。
ショックを外すと、挟まってるだけのスプリングも自動的に外れます。
ヤフオクで買った9NBKY(丸目ポロ)用と比べてみます。GTI用はずいぶん短いですね。これでスペック上の最低地上高の差は15mmポッキリなので、そのぶん固いってことでしょう。バネ定数を計ってみたいとこですが上手い計測方法を思いつきませんでした。上に乗ってみようとしたけど僕の平衡感覚では無理。
やはりスプリングには管理情報と思われる謎のペイントがありました。
ショックとスプリングは外れました。次に新品のバンプラバーと交換すべくアッパーマウントを外します。
これまた16mm。手持ちの中華メガネとモンキーで分解できました。なんだかんだ作業してると古いバンプラバーは表皮?がボロボロと剥がれてきました。
これに似たバンプラバーはワーゲンのみならず欧州車全般に広く使われているようで、ネットで動画や画像を探すと、使い古したスポンジのごとぐ劣化し裂けたものを多々見かけます。BMWやポルシェもこれと同じ材質のようです。当車の場合、11年15万Kmにしては状態良いほうではなかろうか。表面はボロいけど軸方向にはとりあえず弾力はあります。一説によると加水分解で劣化するようなので、むしろ僕のように日常の足グルマで酷使するほうが水気が溜まらず長持ちするのかも知れません。
たぶん、誰もが思ってる事でしょうが、こんな材質でいいのでしょうかねぇ……。それとも日本の気候のせいなのか?
新しいバンプラバーへの交換は簡単でしたが、ショックに被せるダストカバーが微妙に合いません。GTIはノーマルポロとショックの形状が異なるようです。【追記】色々調べたら、ショックの形状が異なるのでなく、ダストカバーには径が一定の円筒とテーパーのついたコーン型の2種があるようです。当車付属は円筒でした。ダスト侵入を防ぐ効果はショックとの隙間が小さい円筒のほうが高いと思うので流用で正解だったのではないかと。
仕方がないので古いものを流用します。泥汚れを落としたら驚くことに状態良好。ほとんど劣化を感じません。まるで新品のようです。ダストカバーは丈夫なんですね。(笑)
ショックはザックス製。銀色のステッカーが貼られてましたが、以前の車検で吹きつけられたシャシーブラックで半分はが真っ黒になって文字が読めませんでした。おのれシャシーブラック! 見える外側だけ塗るシャシーブラックって意味あるんですかねぇ。
なんか意地でも解読したくなってきました。ふと上部を見ると刻印発見。「SACHS 004936210050 PA66GF30」とあります。ググってみたけど大した情報は見つからず。残念。
ショックアブソーバーの劣化具合を調べてみようと押してみました。これが予想以上の減衰力で両手で体重を掛けないと縮みません。僕は専門家でないので、手にしたショックはこれと、イギリスMINIメイフェアのオリジナル、KONIのMINI用の3種しかありませんが、かなり固めに感じました。手で押すのと走行時の上下動は違う領域とは思いますが……。
押し込んで手を離すと定位置まで復元するので、意外にも? ガスは抜けてないようです。
復元するスピードは新品だともっと速いのでしょうかねぇ。動画に撮ってみたので興味のある人は観て下さい。
YouTubeで見る場合はこちら → youtu.be/DXTcZ3guAsM
バンプラバー交換は無事完了。分解時は勝手が分からず手間取りましたが組み立ては順調。スプリングはもちろんヤフオクで買った丸目ノーマルサス用を取り付けます。
午後1時から始めて後片付けが終わったの頃には日が暮れてしまいました。
ノーマルスプリング化に伴い車高の変化を調べてみます。交換前後のリアタイヤ接地面からフェンダーまでの長さを雑にメジャーで計りました。
右:633mm→651mm(+18mm)
左:635mm→655mm(+20mm)
ジャッキアップから降ろした直後につきまだ馴染んでないと思います。後日また同じ場所で計り直してみます。スペックでは+15mmになるはず。
【追記】250km程度走行後計り直しました
右:633mm→651mm(+18mm)
左:635mm→653mm(+18mm)
こんなもんなのかな?
じつは実家で作業したので自宅に帰ります。ドアを開けシートに座ったその瞬間、クルマが沈み込む感じに「お!」と違和感。ストロークが増えたことを体感します。
車体は若干前下がりになりシートポジションも微調整。夜なのでライトオン。光軸も下がったはずですが、……サッパリわかりません。ハロゲンなのでHIDや今どきのLEDのようなレンズカットがくっきりしないのです。
走り出すと。なんと!変化を感じません。工工エエエ(´Д`;)エエエ工工
ショックは変えてないからでしょうね。住宅街&渋滞路の速度域ではショックの固さが支配的のようです。
翌日、なんか納得できないので、通いなれた霞水系に出撃です。釣果は撃沈でした。(泣)
高速は使いませんが、流れの速い一般道でちょっと感動。特に利根川沿いのうねりのある路面。ノーマルスプリングと固いショックの組み合わせって意外と良いではないかなかろうか。以前よりフラットライドになりました。いいゾ〜これ。
本当は町中のゴツゴツを減らしたかったのだけど、効果は別の面で現れました。ま、数千円の予算で楽しむチューニングとしては上出来ではないでしょうか。
フロントもいじってみたいけど素人DIYでは無理かなぁ。
ちなみに、サスいじる人って、バネは固く、車高は低くするよね。僕は普通じゃないということで。(笑)
【追記】ショックを交換したら物凄く乗り心地が良くなりました、
↓の関連記事も御覧ください。
全部交換するかと思いましたが、フロントは大変そうですもんね、納得です。
近くを通ったことだし借りればよかったですわー。
お借りする場合はよろしくお願いします!