思い起こせば10年前から異変は始まっていた。蛇口の付け根から5%程度の損失。実害は軽微なので生暖かい目で見守ってきたが年を追うごとに損失率は上昇。去年あたりから30%程度の勢いに増加。先月に至っては50%以上を有効利用せず下水に放出。このままじゃいかんバッテンどげんせにゃよかと修理ずら(←どこの方言だよ)
生暖かく放置し続けたのには理由がある。ナットの緩み、Oリングの劣化はいち早く疑ったが、温水/冷水それぞれの取っ手が問題の個所に隣接しすぎてスパナを寄せ付けないのだ。しかもそのサイズ28mm。
重い腰を上げてホームセンターへ出動。まずは工具コーナーで28mmのメガネレンチを探してみる。デカイ、とてつもなくデカイ。28mmはこんなに大きいのかと驚くデカさ。陳列された最も大きいメガネレンチでも28mmには届かない。恐るべし水道業界。
水道パーツコーナーに行ってみる。「水栓修理レンチセット」なるものを発見。24〜32ミリに対応した簡易レンチ、ピンセット、そして見覚えはあるけど名前は知らない蛇口内部のゴム付き調整弁、これ、専門用語で「コマケレップ」というらしい。コマは外見的にコマ回しのコマなんだろう。ケレップって何よ? オランダ語で防波堤なんかの意味らしい。恐るべし水道業界。
ピンセットは持ってるしコマケレップが必要になるかわからない。現時点で欲しいのはレンチのみだが恐怖のセット販売である。おのれ水道パーツ業界!!
そして最も疑いのあるOリングも購入。しかし現時点で分解できてないのでサイズが不明。散々悩み決め打ちで一種買うバクチに出る。
温水/冷水それぞれの取っ手は驚愕の隣接具合で水道パーツ業界が提供するレンチをもってしてもギリギリ限界の世界である。取っ手は上から見ると微妙に四角形で水を出した状態でないとレンチが入らない。回せる角度も微量。極度のウサギ小屋に住んでるので作業スペース的にも最悪。うがごががっがあああ!
ボグギッ!!!!ナットが回ると同時にパイプの付け根が折れた。
なんじゃこりゃーーーー
辺境の地で復活した巨神兵を見たクロトワはこう言った「腐ってやがる」
水道修理でパイプを見た私も同意見だ。
意外なことに当初疑ったOリングは健在でまだまだ使える感じでした。でも、賭けに出て購入したサイズは見事一致。この機会に交換しておこう。
「ホームセンター2往復の法則」をご存じでしょうか? この手の作業でホームセンターに2回行くハメになるという「あるある」です。最悪の場合、無駄な労力と疲労そして使う機会のない工具や補修パーツだけが残る「ホームセンター無限地獄」に発展する場合もあるがそれだけは避けたいものである。
再び水道パーツコーナーへ。せっかくだから「高さアップでシンク広々!!」のスワンパイプにしてみました。が、しかし、せっかくバクチに勝った購入済みのOリングと恐怖のセット販売である。とうぜん最初に買ったOリングは余剰在庫に。おのれ水道パーツ業界!!
戦いは終わった。
水道の蛇口から普通に水が出るという普通のことに幸せを感じた瞬間です。
失って気付く普通の幸せも時の経過と共にごく普通に忘れてしまうのだろうな。
便利過ぎるのも考えものです。
大手管理会社のアパートなんだから対応は良いと思いますョ。
もともとある設備は、管理会社経由で修理した方がベストです。
その発想はなかったです。
特派員Kさん>
おっしゃるとおりです。