愛用パソコンの動作が重くなってきた。気性も以前より荒くなり、直ぐにカッと熱くなってブンブンとファンを唸らせ負荷の高い労働をボイコットする始末。
悪魔祓いの儀式を敢行。まずは精神攻撃。使用頻度の低いアプリをアンインストールし成仏。ソフトメーカーの陰謀で常駐してた悪魔プロセスはmsconfigで封印。不要なデータも削除しデフラグをかけるも天使は微笑みません。
こうなったら物理攻撃だ。うつ伏せに倒し背後からドライバーを突き刺す。以前ノートPCと戦った時は「箱根組木パズルかよ!」と叫びたくなる複雑さで酷い目に遭ったが今回のディスプレイ一体型PCはどんな防御壁を築いているのだろうか?
防御壁は11本のビスを外すだけであっけなく攻略。
各パーツは平面的に配置されているので保守性は意外にもかなり良いほうと感じました。下手なタワー型より良いのかも知れない。拡張性はほぼゼロだけど…。
予想通り冷却系統に悪魔が棲みついていた。浄化せねば…。画像手前プロペラファンは浄化が容易だが問題は奥のシロッコファンだ。
このPC、購入時はかなり静かでファンレスかと思った程です。分解して納得。チップの発熱をヒートパイプでラジエターに導く凝った構造。今のPCではこれが普通なのかな?
ヒートパイプ自体は古くから電気製品に使われていて一部のオーディオアンプ(←死語?)でパワートランジスタの放熱なんかで活躍していたと記憶している。銅製パイプ内部に液体を封入したもの。
内部の液体は熱源側で気化すると円環の理に導かれ放熱側に到達しラジエターで冷やされ液体に輪廻転生する仕組み。熱を運ぶ輸送路のような働きをします。
問題のラジエター冷却用ファン。シロッコファンは穢れやすいうえに浄化が面倒くさい。掃除機で吸うも羽根の隙間の埃は容易にとれない。綿棒で拭くも数える気がしない程ある羽根の隙間。
気の遠くなる浄化作業をなんとか済ませ、11本のビスを締め、電源入れて動作確認。(号泣…)頑張ったのに何も変わりません。
何故なの……何故勝てないの…。
あきらめない…何度でも繰り返す。
再びPCをうつ伏せに倒し11本のビスを外します。
もっと分解しなきゃダメだ。恐る恐るビスを緩めると3本外すだけでシロッコファンを引き離せることが判明。現れたラジエター接合部を見てビックリ。ここまで穢れていたとは!こちらは掃除機で吸うだけで簡単に浄化できました。
外した計14本のビスを締め、電源入れて2回目の動作確認。負荷の高い動画関連ソフト2つを全画面表示で重ねて動かします。
劇的に改善しました。カクカクしてた文字の流れは注油したかのごとくスムーズで動画コマ落ちもなくなりました。ファンは低回転で静か。熱くなりません。平和なニコニコライフが帰ってきたのでした。
昔のPCはとってもデジタルな熱暴走をしたもので「普通に動く/突然落ちる」の2択でしたが、今のPCはチップが異常温度に達すると「遅くなって耐える」とってもアナログな挙動をするようです。
CPUコアにターボ・ブースト・テクノロジーとかいう自動車エンジンみたいなネーミングの技術が採用されているようですが、実際、可変クロックやマルチコアの間引き運転をするようなので、自動車エンジンの可変バルブタイミングや気筒休止の発想に近いですよね。
私も昔、ビデオカードのファンのほこりを掃除機で吸ったことがありますが、静電気でカードが壊れてしまいました。5万円の授業料でした。
私も排気口接合部のスポンジ化したホコリにはビビりました。
本当にありがとうございました。
お役にたててよかったですよ。