「釣り師に話をさせるときには、手を縛っておけ」なんてコトワザがあるように、古今東西、釣り人は嘘八百をブチかます生き物です。私もそうですが、ツリドナリンが分泌されると思考回路の配線が2,3本切れて意味不明なトンデモ理論を展開したりするものです。
この本、ツイッターで知ると同時にamazonでリアクション購入。著者は大学のセンセ。さすが学問を生業としている方だけあって、釣り師のオカルト論文とは一線を画する客観性。ま、あたりまえですが。
タイトルの「釣り入門」はブルーバックスのお約束。間違って釣り本コーナーに置かれたら誤解される指数1400ミリCベルト。仕掛けの作り方や竿の選び方を述べたものではなく、学者センセの研究をわかりやすく解説した本です。
編集を担当した人は釣りをする人ではなかろうか?釣り人の興味を引く上手い構成となっている。例えば「魚はルアーの色を識別するか?」とか「仕掛けが見えているか?」などの釣り人目線から話が展開する。
当HPを見てくれる人にお勧めしたい理由の一つが、ブルーギル君の活躍だ。著者の川村軍蔵センセがブルーギル・フェチではないのですが、実験での使い勝手が良いらしく、いきなり第1章から登場します。
ブッタマゲタのが魚の形状識別能力の高さ。Aに適正検査で見せられるような25個の図形が並んでいるが、これら全てを識別できるという。賢いですねぇ。Bは乱数で作ったドットパターン2種とのことですが、この2つの違いが解るってのが驚き!研究室の学生さんも区別できなかったらしい。もちろん私もわかりません。
その他「スレたニジマスの実験」なんてのもあり楽しく読めます。
この本を読んだからといって釣果が上がるものではないでしょう。実釣で考えると、釣り師オカルト理論のほうが役立つかも知れません。しかし釣りの大部分である「釣れない時間にアレコレ考える楽しさ」は増すと思うんですよね。
スポンサー提灯大作戦、キモイ釣り人ポエム、釣ったぞ大自慢大会レポートに飽き飽きした方にお勧めの本です。え?このHPだって大半はお前の自己満自慢話だって?それはスイマセンでした。
私、大学受験の際に悩んだんですよね〜。水産学部に行こうかどうか。魚の事なら、もっと頑張って勉強したかもしれませんが・・・まぁでも1番好きな事は趣味にしておくのが1番かな♪
水産学部→釣り具メーカー勤務→フィッシングキャスターが憧れの人生ですかね(笑